2013年1月19日日本財団ビルにて第27回勉強会を開催しました。医師、公務員(国・地方)、メディア、シンクタンク、研究者、ビジネスパーソン、学生等約25名の参加がありました。

今回は、東京財団の冨田清行ディレクター及び三原岳研究員のお二人をお招きし、2012年10月に東京財団から発表された医療政策提言「医療・介護制度改革の基本的考え方 〜真の国民的議論を実現するために〜」についてご講演いただきました。

まず、冨田ディレクターから、上記について三つの提言(新たな連帯の形成と政策決定の地方分権化、保険点数から住民のケアへの責任に対する報酬制度へ、プライマリー・ケアを確立する「地域包括ケア・グループ」の提案)を中心に説明いただき、続いて三原研究員より、介護現場の声や海外調査を踏まえた、今後の日本の医療と介護のあり方に関する提言がありました。

その後、会場全体でディスカッションを行い、各国に見られるかかりつけ医(ゲートキーパー)制度は日本にも根付きうるのか、医師と医療従事者(コメディカル)の役割分担について、専門性・資格・教育課程の観点から見直すべきことは何か、介護と医療は一体として捉えるべきか、区別して捉えるべきか、在宅介護のニーズとコストなど、多岐にわたる論点について活発な意見交換を行いました。


<参考>

東京財団による政策提言『医療・介護制度改革の基本的考え方 〜真の国民的議論を実現するために〜』(2012年10月)




2012年11月11日都内会議室で第26回勉強会を開催しました。医師、公務員(国・地方)、メディア、シンクタンク、研究者、ビジネスパーソン、学生等約40名の参加がありました。

今回は、村上正泰先生(山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授)をお招きし、日本の医療政策に関してご講演をいただきました。

まず、村上先生から、財務省及び厚労省において、財政管理側また医療サービス供給側から医療政策の策定に従事されたご経験を踏まえ、医療費財源としての税制と保険制度のあり方について、ご提言を交えたご講演をいただきました。

その後、会場全体でディスカッションを行い、保険者の適切な規模(広域自治体都道府県か市町村か)、海外の医療保険制度の状況、医療費財源における税と保険料の比率、また地域医療のあるべき姿など、多岐にわたる論点について活発な意見交換を行いました。



2012年8月19日都内会議室で第25回勉強会を開催しました。医師、地方議員、公務員、メディア、ビジネスパーソン等40名の参加がありました。


今回は、矢作直樹教授(東京大学大学院医学系研究科・医学部救急医学分野教授および医学部附属病院救急部・ 集中治療部部長)を講師にお招きして、「人は死なない」と題し、魂魄や霊の存在、生命の不思議、宗教の起源、について勉強しました。


というのも、経済的、合理的な医療資源の配分システムを設計する上では、その判断の根本において、死をどのようにとらえるべきか、死生観の議論もまた重要であるからです。


多くの参加者は事前に矢作直樹教授の著書である「人は死なない」を読了して参加しました。


矢作先生の講義の後、もし死を恐れない立場をとるならば、死に抗うための医療行為や、新しい薬や治療法を開発する際の動物実験や生体肝移植をどのように捉えればよいか、また輸血をどのように捉えればよいか、超常現象はどのように解釈するべきか、などの論点を含め、活発な議論が交わされました。





2012年5月13日都内会議室で第24回勉強会を開催しました。医師、地方議員、公務員、メディア、ビジネスパーソン等30名以上の参加がありました。

今回は、「介護保険スペシャル」として、日本の介護の状況の概論を勉強しました。超高齢社会の医療システムをデザインする上では、そのすぐ隣の介護についても、正しく理解することが必要になります。


前半は、当会の幹事でもある金澤一行より、マクロのデータを中心に、介護の財政的な状況と諸外国との比較を通じ、日本の介護の現状が、介護保険のみに大きく依存したシステムであることと、持続可能性からの課題点に関してプレゼンが行われました。

後半は、現場の方の意見として、下記のパネリストとともに、現場の実情を踏まえたパネルディスカッションと会場との意見交換を行いました。
そのうえで、介護保険のみで対応するのではなく、地域全体で高齢者も含めた住民への生活の対応をする地域包括ケアの仕組みを構築していくことの意義について議論を行いました。



パネリスト(五十音順)
ユアハウス弥生 所長 飯塚裕久氏
アシストケアプランセンター昭島 管理者 石田英一郎
所沢市職員 肥沼位昌
文京区議会議員 前田くにひろ氏




2012年3月5日(土)都内ルノアール会議室にて第23回勉強会を開催しました。

医療法人社団KNI理事長の北原茂実氏(医師・医博)より、標記のプレゼンがあり、医師、ビジネスマン、行政担当者(省庁、地方自治体職員等)、シンクタンク、メディア、学生他、90名以上の参加がありました。

<講演レジュメ>

第一部 :医療と医療産業は何を担うべきか
1.医療崩壊の真実
2.国民皆保険の功罪
3.今医療を崩壊から救うには 〜望ましい医療の形〜
4.国境を越えた医療の展開は世界の潮流 〜必要とされる医療の輸出産業化〜
5.カンボジアHHRDプロジェクトの目指すもの


第二部 :医療と教育の国際都市八王子を目指して
1.社会を支える4本の柱
2.今回の震災から学んだこと
3.追い求めるべき理想の社会
4.なぜ私達はまちおこしに取り組むのか
5.まちおこしの基本をなすファームプロジェクト
6.復活のモデルとしての医療と教育の国際都市八王子構想
7.最後にお願いしたいこと


※ 第二部は栽樹会との共催により開催いたしました。




2012年2月5日(日)都内ルノアール会議室にて第22回勉強会を開催しました。

薬剤師で千葉大学非常勤講師の柳沢吉則氏より、標記のプレゼンがあり、医師、ビジネスマン、行政担当者(省庁、地方自治体職員等)、シンクタンク、メディア記者他、30名以上の参加がありました。

調剤薬局の収益構造をご説明いただき、ジェネリック医薬品の普及が進まない原因を医師、患者、保険者、調剤薬局のそれぞれのアクターごとのインセンティブから解説していただきました。

システムデザインの観点からは、医師に集中しすぎている権限と責任を分散させることが、より効率的な医療提供システムの推進につながり、ジェネリック医薬品の選択の拡大にも結びつくのではないかとの意見などがありました。




2011年11月13日(日)都内ルノアール会議室にて第21回勉強会を開催しました。

裴 英洙(メディファーム(株)代表取締役社長)より、標記のプレゼンがあり、医師、、ビジネスマン、行政担当者(省庁、地方自治体職員等)、シンクタンク、メディア記者他、30名以上の参加がありました。

医療の大きな問題の一つとして経営の効率化が進んでいないことに関してプレゼンをいただきました。医療の現場では、以下の3つの階層でマネジメントが求めらます。

1:医療現場でのオペレーション
2:病院等医療機関のマネジメント
3:国の制度自体のマネジメント

1は既に現場では実現できていますが、特に今後2と3のレベルでの経営やマネジメントが求められているとのご指摘をいただきました。